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八丈小島を歩こう

八丈島の北西4.5kmの海上にある無人島「八丈小島」昭和44年まで人々が暮らしており、今でも人家や学校の跡がひっそりと残っています。森の中ではアカコッコなどの野鳥や、八丈本島では少なくなってしまったオカダトカゲが多くみられます。半日コースではかつての集落跡地を訪ね、1日コースでは大平山(標高616.8m)をめざします。4名様より。
*大変申し訳ありませんが、現在1日コースをお休みしております。再開しましたらご案内いたします。

実施期間
4月〜6月・9月〜11月
実施日
毎日
時間
船の出航時刻によって変更になる場合があります。
半日コース 9:30〜12:30
1日コース 9:30〜15:30
料金
半日コース 8,500円(小学生5,000円)
1日コース 11,500円(小学生7,000円)(現在休止中)

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八丈小島について

八丈島の八重根漁港から漁船に乗ること約30分で鳥打に到着する。船着き場周辺の海の色は青く透明だ。ここから山の中腹まで伸びるコンクリートの細い道を進むと、祭祀遺跡や招魂神社の礎石がまず目に付くだろう。この島に住まう人々が神々を大切に祀っていたのは、それだけ自然が厳しかったことを意味するのかもしれない。
鳥打.jpg船は小さな湾につく(鳥打)
草原を抜け、道はゆるやかな上り坂となる。周辺に広がる段々畑の今の主はガクアジサイ。やがてコンクリートの道は途切れるが、かつて島の人々が歩いた道は細々と、けれどもしっかり坂の上へ続いている。

集落跡.JPG集落跡
最初の人家跡付近では欠けた陶器や一升瓶が盛り上がった草の中にのぞいていた。昔の不燃物捨て場はなんとささやかだったのだろう。さらに海を背にして集落の中に分け入る。家々の敷地だった場所に残っているのは石壁とコンクリート製の貯水タンクだけ。しばらく進むと右側に石の門があらわれる。鳥打小中学校だ。この一体では唯一といっていい平地の校庭からは眼下に太平洋が広がり、ここで大声で遊んでいた子どもたちも同じ風景をみていたのかと思うと、不思議な感覚に襲われる。「五十世に暮らしつづけた我が故郷よ 今日を限りの故郷よ かい無き我は捨て去れど、次の世にさかせて花を」。島を去る日、長であった鈴木文吉さんは赤いペンキで教室の壁にそう書き残した。 校舎はすでに崩れ、集落も森が包み始めている。

人々が島を去るとき、どうしても捕まえられなかったヤギ十数頭はそのまま置き去りにされた。しかし彼らはその持ち前のたくましさで生き抜き、子孫を残していった。一時は千頭近くまでその数が増えたという。本来はいなかったヤギの野生化は自然植生の破壊を招いた。しかし東京都の環境復元事業によりヤギたちは捕獲され八丈本島に運ばれた。事業開始から数年を経た今、その姿をみることはまずない。ヤギがいなくなった八丈小島の緑は急速に回復しているようだ。八丈島のようにイタチが持ち込まれることもなかったので、オカダトカゲも多いしアカコッコやカラスバトの密度も高い。名前の通りに小さな島ではあるが、人の影響を受けない伊豆諸島本来の自然がみられる貴重な島として、大切にしていかなければならないと心から思う。小島に住んでいた人々にとっては、今でもそこがふるさと。もちろんその心も大切にしながら・・・。
小島.JPG八丈島から八丈小島をのぞむ

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